暦年贈与と教育資金一括贈与を比較対決

このエントリーをはてなブックマークに追加
63

暦年贈与と教育資金一括贈与とではどちらがおすすめかを比較対決しました。暦年贈与は基礎控除額110万円までは贈与税が非課税となるもの。

一方教育資金一括贈与は子や孫に教育資金として贈与する場合は、1500万円まで贈与税がかからないというものです。

相続税の節税対策にもなる教育資金一括贈与の方がいいように見えますが、細かい取り決めも多いのでデメリットもあります。徹底比較していますのでぜひ参考にしてください。

一度に贈与される金額が大きいのはどっち?

◯WIN 教育資金一括贈与
教育資金一括贈与とは、平成25年4月より「子や孫への教育資金の一括贈与制度」としてスタートしたものです。

内容としては、子や孫へ教育資金として1,500万円までなら非課税で贈与する事が出来ると言ったものです。しかし幾つかの条件があります。

・贈与された子や孫は30歳になるまでに教育資金として使いきらなければならない事
・使い道のわかる領収証を金融機関に提出しなければならない事
・教育資金として認められる使用目的の範囲に決まりがある事 

他にもいろいろとありますが、これらをよく熟知して正しく使用しないと贈与税が付加されてしまう場合もある為非常に注意が必要です。

×LOSE 暦年贈与
暦年贈与とは、暦年内、つまりその年の1月1日~12月31日までの1年間において、1人につき110万円以下(※基礎控除額)であれば非課税として贈与する事が出来る制度です。

しかしこれにも注意が必要で、受け取る側がきちんと贈与を受けたと言う認識がある事、複数人から受け取った場合でも合計額が110万円を超えてはいけない事等をよく理解していないと、課税の対象になる事もあります。

また同額を定期的に毎年贈与した場合、きちんとその年ごとの贈与である事が証明されないと、最終的に多額の資金をあらかじめ贈与する意思があったとみなされ相続税の対象となる等、内容の認識には注意が必要と言えるでしょう。

贈与された資金の使い道が多様なのはどっち?

◯WIN 暦年贈与
暦年贈与は、基本的に贈与される側の使用目的は自由となっています。きちんと条件を満たしていればよい為、様々な目的に利用しやすいと言えるでしょう。

×LOSE 教育資金一括贈与
教育資金一括贈与は、基本的に贈与される側は教育資金としてのみ使用する事が出来ます。それ以外の目的に使用した場合は当然贈与税が課せられる事になります。

更に注意が必要なのは、教育資金として認められる範囲には細かい決まりがあります。習い物や塾代・学校の授業料や入学金等はその範囲内でも、それに関わる仕送り・住居費・食費等の付随する内容の物は認められていません。あらかじめどういった内容で使用出来るのかよく確認しておく必要があると言えるでしょう。

贈与する側の先々の生活面の不安がないのはどっち?

◯WIN 暦年贈与
暦年贈与は、基本的に暦年である1年ごとの贈与です。贈与する側にとって、万が一その後の生活資金に不安が生じるなどの事態があった場合には、いつでも中止する事が出来ます。毎年の生活状況を確認しながら計画的に贈与を考える事が出来る為、利用しやすいと言えるでしょう。

×LOSE 教育資金一括贈与
教育資金一括贈与は、決められた範囲内で一括贈与をしてしまう為、後から資金不足に陥り返金を希望しても払い戻しは出来ません。やむを得ず子や孫から資金を貰う場合には贈与税がかかってしまう為、利用する場合にはよく注意する必要があります。

贈与される側にとって、手軽に利用しやすいのはどっち?

◯WIN 暦年贈与
暦年贈与は、受け取る側にとって使用目的を選ばない為、利用しやすいと言えるでしょう。また一年ごとに生活に必要な資金ペースが分かりやすい為、計画が立てやすいと言えるでしょう。

×LOSE 教育資金一括贈与
教育資金一括贈与は、受け取る側にとって30歳までに教育資金として使いきれない場合には贈与税が課せられてしまう為、長い計画の中での資金の使い方が難しいと言えるでしょう。また使用出来る条件も決められていたり、使用の際には領収証の提出義務がある等、負担も多いと言えるでしょう。

多額の財産を短期間で贈与したい場合に便利なのはどっち?

◯WIN 教育資金一括贈与
多くの財産がありそれを短期間である程度贈与したい方にとっては、1,500万円までまとまった額を一度に贈与出来る点は利用しやすいと言えるでしょう。

また暦年贈与とも併用する事が出来る点もメリットと言えるでしょう。年齢や体調等を考え長い年月での計画的な資金贈与が困難な方にとっては、非常に利用しやすい制度となっています。

×LOSE 暦年贈与
多くの財産を所有し、尚且つ高齢であったり体調等を考慮した場合に、長期間における資金贈与が困難な方にとっては、1年に110万円までと決められた額を計画的に贈与するのは負担がかかると言えるでしょう。

結局どっちがいいのか?

対決項目 暦年贈与 教育資金一括贈与
金額が大きい ×
資金の使い道が多様 ×
贈与する側の先々の生活面 ×
贈与される側にとって、手軽に利用しやすい ×
多額の財産を短期間で贈与したい場合 ×
合計ポイント WIN:3
LOSE:2
DRAW:0
WIN:2
LOSE:3
DRAW:0
総合結果 ◯WIN ×LOSE

現代のような高齢化社会である長生き時代には、退職してからの第2の人生の生活設計は思いのほか難しいと言えるでしょう。ある程度余裕を持ち、思いがけない事態等による出費にも対応しながら生活していく為には、軽はずみな資金計画ではうまくはいきません。

対する若い世代においても、年々問題となる少子化問題に加えて高齢化社会である現状は、これからの様々な問題が重くのしかかり非常に困難であると言わざるを得ません。

特に若い子育て世代にとっては子供一人一人にかかる教育資金の工面から、将来における年金問題、病気や介護にかかる問題等あらゆる面で生活資金のかかる現状を考えると、余程しっかりとした生活設計をしていかなければいけないと言えるしょう。

このような現状において、家族間における資金援助は非常に重要なものと位置づけらます。しかし単純に援助が出来るわけではなく、そこには必ず贈与や相続等の税金がかかります。ですからよく内容を理解し受け取る側と受け渡す側にとってお互いにメリットとなる形を選択していきたいものです。

そこで上手に利用出来るのが「暦年贈与」と「教育資金一括贈与」ですが、どちらがよいのかはこれまで比較してきた内容から判断出来ると言えるでしょう。

ある程度まとまった資金があり、相続の場合の事を考え出来るだけ多く贈与したいと考える場合には、教育資金一括贈与を利用するとよいでしょう。

この制度には実は期間が設けられており、平成31年3月31日までと決まっています(注:当初の制定では平成27年12月31日まででしたが、平成27年度における税制改正により期間が延長されました)。

利用を検討する方はこの期間内に利用出来るように、また受け取る側が使い切れるように年齢等も考慮して計画的な利用をするとよいでしょう。しかしこのような場合以外においては、一般的には暦年贈与が利用しやすいのではないでしょうか。

送る側にとっても変化に対応する事が出来、送られる側にとっても使い勝手や計画的に利用出来る点で、柔軟に利用しやすいと言う大きなメリットがあります。

更に注目したいのが、教育資金の贈与において実は今回の特例の一括贈与以外にも、その都度必要に応じて贈与をする事が出来るという点です。

これについては以前より可能である為、取り急ぎまとまった額が必要な場合を除いては、このように必要に応じて教育資金として援助すれば問題はないのです。

このような流れを考慮して、今回の対決の結果は…柔軟に対応出来る「暦年贈与」に軍配が上がりました。

このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーリンク
スポンサーリンク

SNSでもご購読できます。